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胸郭出口症候群

胸郭出口

肩こりの原因は

●不良姿勢、負担のかかる姿勢     ●高血圧、心臓病

●骨や椎間板の老化          ●胃腸障害

●ストレスや睡眠不足         ●眼の調節障害

●怪我                ●更年期障害 など

 

左図の赤丸で囲んだ二箇所の部分で血管や神経が圧迫されるのが原因です。まず、首の付け根の方で前斜角筋と中斜角筋、そして鎖骨の3つで囲まれたところを神経(黄色いライン)と血管(赤いラインと青いライン)が通ります。もう一箇所、鎖骨に近いところで、神経と血管が筋肉と骨の間通り抜けるところがあって、小胸筋が圧迫の原因になります。この部位が、ある種の動作を行うときに腕や肩がだるくなったりすることがあります。これが胸郭出口症候群の病態です。

胸郭出口症候群の患者さんは腕が下がるので、首が曲がり、背中も曲がりがちです。
これが肩にかかるストレスの原因です。上から引っ張り上げられているようなイメージで、姿勢を正しくすることが症状の改善につながります。

肩板損傷

肩板損傷

腱板と呼ばれる筋肉の束は腕を上げたり、腕をねじったりするときに働きます。酷使すると、摩耗するような形で部分的に切れてしまったりすることがあります。転倒などによって肩を強く打ったり、手をついたりすることで切れてしまうこともあります。
 

腱板は、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つの筋肉よって構成されています。左の図は、その4つの筋が上腕骨に幅広くくっついているのを示しています。ほとんど上腕骨の骨頭を覆ってしまうぐらいの範囲で4つの筋肉がついているので、腕をあらゆる方向に動かすことができます。 

中で一番損傷を受けやすいのは棘上筋です。腕を横に広げ上に上げていく動作(外転)60度より120度付近での痛みがあると肩板の損傷が疑われます。完全に断裂すると腕が上がらなくなることもあります。

腱板が切れていても痛みが出ないケースがありますが、ひっかかる状態が続いていると、やがて炎症をおこし最初は腱板だけにとどまっていた炎症が肩峰下滑液包まで波及し、炎症がさらに強くなってくると、腕が上げづらくなったり、夜中に痛くなったりします。さらに、痛みが強いので腕を上げない状況が続くことで、肩が固まってくるという状況になります。

しかし肩板は4つの筋肉からなるためどれか一つが損傷しても他の筋肉で補うことにより回復は可能です。炎症が治まるまでの間の疼痛管理とリハビリによる可動域訓練により肩の動く範囲を取り戻していくことが大切になります。

肩関節周囲炎(五十肩)

肩関節周囲炎

よく耳にする「五十肩」という疾患名は医学的には「肩関節周囲炎」と呼ばれます。この「肩関節周囲炎」ははっきりと原因のわかるものもあれば、いまひとつ原因がはっきりしないものもあります。肩関節周囲炎が痛みだけでなく、関節が徐々に動かなくなってしまう状態を「肩関節拘縮」といいます。原因として全身性、関連性、肩関節性など診察によって明確になった場合は、その原因を改善するように処置が施されます。一方で、はっきりした原因がなくて徐々に肩が動かなくなってしまう場合もあります。これを一般に「五十肩」といいます。

五十肩には大まかに筋痙縮期・筋拘縮期・回復期の三つの時期が存在します。

 

●筋痙縮期(きんけいしゅくき)

炎症が強い時期であるので、鋭い痛みが発生します。その痛みが筋肉のけいれんを引き起こし、さらに痛みを増加させてしまいます。ですので、この時期の治療としては、痛みどめなど、炎症を抑える治療が有効とされます。痛みが強いこの時期には筋肉を無理に動かそうとして、筋肉のけいれんを増強してしまうことがあるので、無理に動かすのはあまりお勧めできません。

 

●筋拘縮期(きんこうしゅくき)

この時期になると、肩を動かした時の痛みは多少和らぎます。しかし、肩が硬くこわばってしまい、動かせる範囲が制限されてしまいます。この時期では肩の痛みが強くならない範囲で動かしていくことが大切です。日常生活でも、無理な肩関節の動作は避けて、動かせる範囲で動かしていくことが大切です。

 

●回復期

 この時期にリハビリを徹底的に行って、一早く肩関節の柔軟性を取り戻す必要があります。肩の痛みや不快感も少なくなってくることから、凍結した肩が「溶け始める時期」ともいわれています。ですので、回復に向かう時期なので、リハビリが重要になってきます。 

  

石灰沈着性腱炎

石灰沈着性腱炎

肩の関節の疾患の中で、眠れないくらい痛く、肩があげられないという疾患がこの「石灰沈着性腱炎」です。

症状は、痛みで腕を動かすことができない・夜、痛くて目が覚める・髪をとく時に痛い・洗濯物を干す時に痛い・ベルトを通す時に痛い・エプロンの紐を縛る時に痛いなど肩関節の動きを伴う様々な動作で症状が出ます。

原因は肩関節の主要な筋肉である腱板の周囲に石灰物が沈着することで、滑液包などに炎症を起こし、肩の動きを伴う動作時に痛みが生じます。40~50歳代女性に多く、突然誘因なく、激痛が走り、腕を動かすことができないのが特徴ですが、原因は不明です。関節包等が癒着する『拘縮肩』へつながることも少なくありません。他の肩関節疾患(五十肩や腱板断裂など)と似た症状を呈しますが、整形でのレントゲン撮影で石灰が確認でき、診断が可能です。

               

やがて、時間が経つとともに、石灰を修復しようとする反応により、石灰化部分が小さくなってきます。このころには肩も動かせるようになり、日常でも支障のない程度まで回復します。ですが、完全に石灰が修復されるまでには2~3カ月かかります。

 

石灰沈着性腱炎は痛みが強く、発生の仕方も急激なのですぐにわかります。肩を強く打つとか、思い当たるケースも無く、急に肩が痛くなった場合には、まず、この疾患を疑ってみてください。治療とリハビリを続けながら、自然に石灰化の消失を待つことで、ほとんどの場合は治ります。

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